革靴好きの会計士Penchi

物欲の止まらない公認会計士。平成元年生まれ。令和元年結婚。現在夫婦2人暮らし。洋服、靴が好き(特にビジネスアイテムが大好物)。

エドワードグリーンの4つの生産工程 〜革靴の作り方〜

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今回は世界最高峰の革靴、エドワードグリーンの生産工程について。

 

彼らはとても丁寧で、手間暇かけたものづくりにより

革靴を一足一足手作業で作り上げています。

一足にかける生産時間は、他のブランドと比較

しても圧倒的な長い。

 

昨今は工場の機械化により

自動生産が主流の世の中ですが、

やはり細かいディテール部分の作り込みは、機械では熟練工の人間業には敵わないのではないでしょうか。

 

生産工程は、

エドワードグリーンの公式ホームページに掲載されていますので、そちらを以下に要約致します。

 

まず生産工程は大きく4つ。

1. クリッキング(革の裁断)

2. ソーイング(アッパー部分の縫い合わせ)

3. ウェルティング(アッパー部分とソールの縫い合わせ)

4. ポリッシング

 

上記4工程ごとに、職人のチームが生成されています。

 

【1. クリッキング】

まずクリッキングという工程。

マシーンで大量生産され量販店等に並ぶ革靴は、

ささっと全自動で生産されるのかもしれませんが、

ハンドメイドの靴作りはまず、

「クリッキング」という革の裁断工程を手作業で始めます。

 

元となる大きな革材から、必要なパーツを裁断していきます。

その際の切り出しの形は、

木型(革靴の形を決める模型のようなもの。)から、型紙を作り、

その型紙に沿って裁断されていきます。

 

この裁断でわずかにでもずれてしまうと、

革靴を仕上げた時のシルエットや履き心地が変わってしまうため、一足の靴が全て無駄になってしまうほど、重要な工程です。

 

そのため、技術的にも難易度は、非常に高いようです。

 

そして素材となる革質は

エドワードグリーンでは良質な部分のみを厳選されるため、

通常なら1頭分の革から8~10足分のパーツが取れるところを、

エドワードグリーンでは4足分ほどしか取れないとも言われています。

これは、革に残る毛細血管の跡をできるだけ避けたり、

革表面の模様、色合い等に統一感がある箇所のみを使用しようとする結果でしょうか。

 

【2. ソーイング】

つぎにソーイングの工程です。

これはアッパー部分(革靴の上面)の縫い込み工程です。

 

ここで特筆したいエドワードグリーンの特徴的な縫い込み手法。スキンステッチについて。

 

定番モデル「ドーバー」は、

アッパーのU字部分が、スキンステッチという技法が用いられ縫い合わされています。

 

このスキンステッチは革の一方から針を入れた後、

その反対側へは針を貫通させず、革の内部のみを縫い通していく技法です。

表側から針を通しますが、革の裏側にまで針は貫通させずに、革の内部のみで縫い合わせていらイメージですね。

 

つまりは、文章では何が起きているのか言い表せないほどの高等技術になります。

 

この技法では通常の金属製の針が使えないため、

イノシシの剛毛(ビッグ・ブリッスル)を割いて

撚り合わせ作った特殊な針を使って、

1mmに満たない隙間を通して縫い上げなければいけません。

 

ギネス級に高度な技術。

この技術を用いた革靴を、製品化できるレベルで仕上げられる熟練工は、

エドワードグリーンにおいても世界でわずか数名とのことです。

 

この数名の職人は一日中、

このステッチに没頭しなければ回らないのではないでしょうか...。

それほどまでに高度な技術であり、稀少な人材ということだと思います。

 

【3. ウェルティング】

前の工程のソーイングにてアッパーの縫い込みをした、次はウェルティングという工程です。

 

こちらではまずアッパーの釣り込みをします。

 

この釣り込みとは、

アッパーを木型に合わせて靴の形に成型する作業のことを指します。

 

エドワードグリーンでは、釣り込みの品質を高めるため、

トゥとウエスト、ヒールの3か所をそれぞれ別の職人が行い、

丁寧な釣り込みを実現させています。

 

その後、アッパー、ウェルト、底革、ヒールを付けるウェルティングが行われます。

 

中底下にコルクを敷く段階で、

レザーライニングのソールと、コルク、レザーソールの3層構造とすることで、

履き込むほどに持ち主の足の形にフィットするという

同ブランド特有の履き心地を生み出す技術を発揮しています。

 

これが本当にもうエドワードグリーンのあの履き心地を良さを実現させている方法なんですね。

 

【4. ポリッシング】

磨き上げの工程です。

 

 

このような工程の中で、常々厳しい品質管理基準やモニタリングなども実施されているんだと思います。

それだけの苦労を経て、出来上がる至高の1足は、

令和のこの時代において、

1足20万円前後という価格帯にもかかわらず、

顧客の心を離さないのではないでしょうか。

 

現に、私もさまざまなブランドの革靴を持っておりますが、

エドワードグリーンがレディメイト(既製靴)の中で、最も履き心地がよくお気に入りの一足となっています。

 

皆様もぜひ、エドワードグリーン試してみて下さい!