革靴好きの会計士Penchi

物欲の止まらない公認会計士。平成元年生まれ。令和元年結婚。現在夫婦2人暮らし。洋服、靴が好き(特にビジネスアイテムが大好物)。

仕事#2: FAS(ファズ)とは?デューデリジェンスとは?

 

こんにちは。

 

本日は先日の続きで、

仕事関連の話を書かせて頂きます。

 

先日の続きですので、もしお時間あればコチラの記事からご覧頂けますと幸いです↓↓↓

 

過去、私は2回転職し、現在は3社目です。

大学卒業が2012/3月なので9年の間にすでに3社目。多いようですが、割とこの業界は転職が盛んで、3社目も普通の印象です。現に日常的に上司、同期、後輩関係なく社内で転職マーケットについて情報交換がなされており、しょっちゅう退職の挨拶メールが飛び交っています。

 

さて脱線しましたが、

私は過去に税理士法人2年、監査法人3年と所属。

現在は業界内で『FAS(ファズ)』と呼ばれている会社に転職し、M&Aのアドバイザリー業務をしています。

 

ここで『FAS(ファズ)』とは。

FASとは、まず『Financial Advisory Service』の頭文字を取ったワードになります。

M&A業務に係るアドバイザリー業務自体のこと、あるいはそういった業務に特化してサービス提供をしている会社自体のことを総称している言葉になります。

 

FAS会社は金融機関には該当しないので、

証券会社のように証券取扱はしておらず、いわゆる投資銀行部門とは全くの別物となっています。このあたりはまた別の機会に。

 

FAS会社の多くは監査法人系列の会社が担っていることが多く、

例えば国内(世界)の四大監査法人と呼ばれるDeloitte、PwC、KPMG、EYは、下記の通りそれぞれFAS会社を持っています。

 

  • デロイト・トーマツ・フィナンシャルアドバイザリー(俗にDTFA)
  • PwCアドバイザリー
  • KPMG FAS
  • EY FAS

 

この内の一つに私も所属しています。

監査法人系列ではありますが、法人格も違うので、文化は全くの別物。

 

また内部にいる人も様々で非常に刺激的です。

 

例えば、

監査法人は公認会計士の試験に合格した会計士たちがほとんど。

なぜなら会計監査は法律で会計士しかやっちゃダメと定められているから。必然的に会計士ばかりとなります。

本社機能やバックオフィス機能を支えてくれる人たち以外は皆、会計士。そんな感じです。

なので、なんとなく仕事に対するスタンスやアプローチは似てくる結果に。

 

ですが、

FASでやっているM&Aアドバイザリーは法律で「会計士しかやっちゃダメ」なんて決め事も全くないので、

色んなバックグラウンドを持った人たちがいます。例えば、

 

  • 監査法人からの転職組
  • 銀行や証券会社等の金融機関からの転職組
  • 戦略コンサルからの転職組
  • メーカー等の一般事業会社からの転職組
  • 新卒(簿記や会計士の資格を持ってる人もいれば持っていない人もいっぱい)

 

あらゆる業界からの転職組が揃っています。

監査法人、金融機関、戦略コンサルは元々数字を扱う仕事をしてきていますが、

メーカー等の事業会社出身の方も、割と経営企画部や財務部、経理部などで数字を扱ってきた方が多いように感じます。

 

ということで、数字に対しての苦手意識さえなければ、十分楽しめる業界なんだと思います。

 

次に、FASという会社は具体的にどんなことをしているのか?というご紹介です。

 

私の所属している会社では主に下記のサービスラインがあります。

 

  • 財務デューデリジェンス
  • ビジネスデューデリジェンス
  • 企業価値算定(バリエーション)
  • 財務モデリング
  • エグゼキューション
  • PMI支援
  • インフラファイナンス
  • 事業再生支援
  • etc...

 

基本的にM&Aが関連してる業務はファイナンス以外なんでもやっている感じです。

 

本日は上記のうち『デューデリジェンス』について軽くご紹介。

 

デューデリジェンスとは、Wikipediaによると「企業などに要求される当然に実施すべき注意義務および努力のことである。」とのことでした。

直訳するとなんのことやら?って感じですが、もっと簡単に噛み砕くとこんな感じです。

 

『デューデリジェンスとは、M&Aで、とある企業の買収を検討する際に、当該買収候補先の企業にどんなリスクや将来性があるのかをしっかりと調査すること』

 

つまり、先述の直訳も踏まえて説明すると、

買収するときに買収候補先を入念に調査することは、企業として(株主に対して負うべき)当然に実施すべき注意義務であり、努力であるよねってことなんだと思います。

※注意義務とは、読んで字の如く注意すること自体を義務とされていることですが、例えば分かりやすく例えると、ペットの飼い主はペットの健康に対して当然に注意義務を負っている。つまり、飼い主がペットの健康状態について注意を払うのは当然の義務ですよねってことです。

 

よくよく調べてみるとこんなにリスクがある会社に対して、なんであんな高い値段をつけて買収したんだ!!!と株主総会で株主に追及される場面は実際におそらくあるのでしょうが、そうならないためにも事前にしっかりと調査しましょうということで、デューデリジェンスという業務が存在します。

 

ちなみにこのデューデリジェンス。

業界では『デューデリ』や『DD (ディーディー)』と略して会話するのが一般的です。

 

ここまでを踏まえまとめると、上記に記載したサービスラインのうち、財務デューデリジェンスとは、

買収候補先企業の財務状態を調査して、過去実績を踏まえたその会社の特徴しっかりと理解・分析していくことです。

そしてビジネスデューデリジェンスとは、買収候補先企業が所属しているマーケット自体の将来性や、その中での候補先企業のポジションや将来のシェア率、成長率等を細かく調査することです。

 

ちなみに上記はいずれも、買収価格(つまり、会社を買収するときのお値段)の算定に大きく影響を与えます。

 

そのあたりのデューデリと買収価格の算定との関係性はまた改めてご紹介したいと思います。

 

長くなりましたが、本日はこちらで。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

Penchi